金芽米タニタこまちを美味しく食べる方法は

秋田県大仙市内にある農場「アグリフライト大曲」ですくすくと育ったお米「タニタこまち」。消費者のみなさまにお届けする前に、もうひと手間。秋田県大仙市から埼玉県坂戸市にある東洋ライスサイタマ工場に場所を移し、金芽米(きんめまい)に精米加工します。そもそも金芽米ってどういうお米なのでしょうか。「タニタこまち」の商品化に携わった久保彬子（タニタで広報業務を担当）が自身の勉強を兼ねて、東洋ライス企画広報部の戸張泰佑（とばり・たいすけ）氏に金芽米のおいしさの秘密などを聞きました。

▲質問に答える東洋ライスの戸張泰佑氏（左）

久保　金芽米とはどんなお米なのでしょうか？

戸張氏「お米はその昔、『粳米』（こうべい）と呼ばれ、生薬として親しまれていました。栄養がたっぷり詰まった食べ物です。現在は玄米の糠（ぬか）の部分を取り除き、精白米にして食べるのがスタンダードになっています。でも、この糠の部分に栄養が詰まっているのです。この栄養分を摂取するには玄米を食べなければなりません。しかし、玄米はボソボソして食べにくい。玄米に含まれる豊富な栄養を残しながら、白米のようにおいしく食べることができるお米こそが金芽米なのです。金芽米はまさに玄米と白米の“いいとこどり”のお米と言っても過言ではありません」

久保　白米と金芽米の精米方法の違いは？

戸張氏「玄米から糠を取り除くと白米になります。白米の精米方法は糠を効率よく取り除くことに重点を置いています。しかし、この方法だと栄養価が高い『亜糊粉層(あこふんそう)』までも取り除くことになります。当社は玄米の表面から少しずつ糠を取り除いて、お米の表面に亜糊粉層を残すことができる特殊な機械を開発するなど独自の精米技術を確立しました。金芽米は胚芽の基底部である『金芽』と、糠の部分の中でも栄養価が高く、うまみ成分を含んだ『亜糊粉層』を残したお米なのです」

▲提供：東洋ライス

久保　亜糊粉層を残すとどんなメリットがあるのでしょうか？

戸張氏「亜糊粉層には酵素が多く含まれています。炊飯する前に水に漬けますが、その際にこの酵素の働きによってでんぷん層が分解され、健康に良い糖質が産生されて甘みとうまみが増すことが科学的にも裏付けされています。メリットはそれだけにとどまりません。亜糊粉層は水を多く吸収する性質があります。そのため、金芽米は炊飯時に、炊き増えします。白米よりも少ない生米の量で同じ量のご飯が炊きあがるのです。よって、金芽米のごはん１００㌘あたりのカロリーは白米のごはんと比べて約１７％も低くなります」

久保　『タニタこまち』をおいしく食べるための炊き方があれば教えてください。

戸張氏「生米では白米と金芽米の大きさはほとんど変わりません。しかし、先ほど申し上げた通り、金芽米は亜糊粉層があるため、水を多くして時間をかけて吸水させること。それによって白米と比べてご飯が大きく膨らみます。そのため、金芽米を炊くときのポイントは、炊飯する際、白米を炊くときよりも生米の量を１割少なくして、いつものお米と同じ水加減にしてください。これでふっくらとおいしく炊けます。予め生米を1割少なく計量できる、金芽米専用計量カップも用意しています」

▲凹みがある金芽米専用計量カップ

久保　金芽米になった「タニタこまち」の味の特徴は？

戸張氏「まだ試食していませんが、お米が持つ甘みを強く感じてもらえると思います。私は普段から金芽米を食べていますが、外食時に普通に精米した白米を食べると味気なく、物足りないと感じます。それぐらい甘みとうまみが強いのです。学校給食で金芽米が採用されているある地域のエピソードなのですが、一般的な白米から金芽米に切り替えたら残食率はたちまち減少したそうです。『おいしいので、子どもたちはたくさん食べてくれる』という嬉しい声をいただきました。味覚が敏感な子どもたちだけでなく、大人も金芽米を一カ月間続けて食べれば、きっとその違いがわかるはずです」

久保　金芽米によく合う“ごはんのお供”などがありましたら教えてください。

戸張氏「金芽米だけで食べるのがベストだと思います(笑)。でも、ごはんのお供を挙げるとすれば、それは『たまごかけごはん』です。金芽米が持つうまみや甘さを引き出してくれます。普通の醤油でもおいしいですが、だしが入った醤油だとよりおいしく食べられます」

タニタこまち

https://shop.tanita.co.jp/shop/e/ekomachi/

Text：合同会社サウザンスマイルズ

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