2022年3月3日 20:00
タニタが「ツインスティック(PlayStation®4用ソフト『電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機(バーチャロン)』に対応するコントローラー)をつくる」と宣言したあの日から、早4年が経ちました。
「本当にできるのか…?」と誰もが思った商品は、多くの方々と協力会社の支援のもとに無事完成。一生使い続けてもらえるよう、アフターサービス体制も整え、ついに昨年から「TANITA CUP」という名の『バーチャロン』を使ったeスポーツ大会まで開催することになりました。4年前、こんな未来をだれが想像していたでしょう。
今年はさらに、バーチャロンの輪を広めるべくルーキー戦も実施します。タニタからは新卒1、2年目のルーキーが2名参戦! 特別講師のもとで修業し、約1カ月後の「TANITA CUP2022」にチャレンジします。
本大会を語るには「TANITAツインスティックプロジェクト」の話が欠かせません。『電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機(バーチャロン)』の発売日である2018年2月15日(木)、タニタ社長の谷田千里が「ツインスティック・プロジェクト」の始動をいきなり宣言。あまりの唐突さに、社員はもちろん、周囲も「タニタ、いきなりどうしたの…?」と驚きを隠せませんでした。
株式会社タニタは、「とある魔術の電脳戦機(バーチャロン)」に対応するツインスティックの開発プロジェクトを始動いたします。今後の展開にぜひご注目ください。https://t.co/WXhsWNFp5H pic.twitter.com/14BSPpHwj3
— TANITA ツインスティック・プロジェクトZ (@t_twinstick) February 15, 2018
▲TANITAツインスティックプロジェクト
同作は人気ゲーム『電脳戦機バーチャロン』シリーズの15年ぶりの新作(2018年当時)。しかし、同作においては同シリーズの特徴であるコントローラー「ツインスティック」が発売されませんでした。このことを大のセガファンを公言する谷田が知り、「それなら弊社につくらせてほしい」とセガへお願いしたことから動き出したプロジェクトです。
そしてプロジェクトリーダーに任命されたのは、当時まったくのゲーム初心者だった新事業推進部の久保彬子。「はじめはゲーム機すら持っていなかった」と話す彼女も、3回のクラウドファンディングを通してすっかり“バーチャロンの女”に。
1回目は未達成となりましたが、転んでもタダじゃ起きないのが久保。その経験と多くのバーチャロンファン(通称:チャロナー)の皆さんからの声援をバネにして、2回目、3回目とチャレンジしました。その結果、計1億3000万円を超えるご支援をいただき、ツインスティックの商品化が実現しました。
▲当初の完成イメージ
当初は「ガードレールがツインスティックに見える…」と真顔で話していた久保も、いつの間にか「今度チャロナーの皆さんに会いにバーチャロン合宿に行くんだ」と嬉々として話すまでに。
完成したタニタ製ツインスティックは、使いやすさや握りやすさ、耐久性を徹底的に追求したほか、製造元である三和電子株式会社のサポートによって、アフターサービス体制が整い、ずっと使える“一生もの”のコントローラーになりました。
▲タニタ製ツインスティック(現在は販売終了)
ツインスティックをつくったタニタが、なぜ『バーチャロン』を使ったeスポーツ大会まで行うのか? 不思議に思う方もいると思います。少し補足すると、ツインスティックの商品化を通して久保が肌で感じたもの、それはチャロナーたちのコミュニティであり、強いつながりでした。
「ツインスティックの取り組みを通じて、チャロナーたちのコミュニティがあることが分かりました。それはまさに“一生もののつながり”と言えるものです。好きなものでつながった仲間がいるということは、タニタ的に言えば“心の健康”につながる大切な要素です。タニタは大会を通して『バーチャロン』の楽しさはもとより、一生もののつながりをつくれるコミュニティを提供したいと考えています」(久保)。
▲TANITA CUP 2022ページ
このような背景から、商品の販売終了後も大会の開催を継続、持続可能な大会を目指してツインスティックの特設ページも商品ページからeスポーツ「TANITA CUP 2022」に改めました。『バーチャロン』のメインプレーヤー層は40代が中心ですが、さらに幅広い層へバーチャロンの楽しさを広げていきたいという思いから、今年は初心者を対象とした「ルーキー戦」を新たに設けました。
※ルーキー戦は『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム Ver.5.66』のみ。
▲ツインスティックの取扱説明書も同サイト内に格納しています
『バーチャロン』の輪を広げるべく設けられたルーキー戦。初心者を対象としているので、「ニュータイプみたいなチャロナーにボコボコにされるのでは…」なんて心配はご無用。タニタ製ツインスティックを持っていない方も気軽にエントリーできます。とはいえ「ルーキー戦って今から始めても間に合うの?」そう思われる人も多いと思います。
答えはYES! 『バーチャロン』と同世代(1990年代生まれ!)のタニタの若手社員2名がルーキー戦にチャレンジします。今回はルーキーの2人が、歴戦のチャロナーであり、本大会運営に携わる株式会社YOUDEALの、にしださくり氏を講師に招き、特別講習を行ってもらいました。
特別講習のYouTube動画はこちらからどうぞ。
【バーチャロン】TANITACUP 2022 ルーキー戦に向けて特訓を開始!【今年もこの季節がやってきた!】
タニタオンラインプレスルームでは、YouTube本編で説明しきれなかった部分を補足して紹介します。
操作がかなり独特と言われるバーチャロンですが、さくり氏いわく、ポイントは「バーチャロイド(自機となるキャラクター)選び」「移動」「攻撃」の3つ。これらを掘り下げて説明していきます。
さくり氏:まずは操作するバーチャロイドを全15体のなかから決めましょう。「強いバーチャロイド」「好きなバーチャロイド」など選び方はさまざまですが、まずは気になるバーチャロイドでプレーしてみるのがいいかもしれません。通常、対戦格闘ゲームは平面の画面構成となっているのが一般的ですが、バーチャロンは360度ステージを自由に走り回れるのが特徴。攻撃方法や移動速度など、バーチャロイドによって操作感が異なりますので、自分と相性のいい機体を選ぶとよいでしょう。
▲バーチャロイド選び
2:移動をマスター
さくり氏:対戦ゲームではついすぐに「攻撃」をしたくなるものですが、『バーチャロン』においては「移動」が最も難しく、そして重要です。先ほどもお話しましたが、このゲームは360度ステージを走り回れるので、空間の把握が必要になります。まずは自分と敵の位置関係をしっかり把握すること、これが基本です。移動は地上での前後左右、斜めに加えて、ジャンプすることで空中でも前後左右、斜めの移動が可能です。ターボボタンを押すことで、ダッシュもできます。
移動の自由度が高いだけに、とっつきにくいゲームだと思われることもありますが、パッドでもツインスティックでも、しっかり動かせるようになると「自分でロボットを操作している」という没入感が強くなって、より楽しさが増していきますよ。
▲熱血指導中
さくり氏:このゲームで最も大切な動きが「ジャンプしてキャンセル(通称:ジャンキャン)」。これはよく使うのでマスターしておきましょう。ジャンプには敵を画面中心に捉えるという性質があります。敵を見失ってしまった時には落ち着いてジャンプキャンセルをしましょう。ジャンプ上昇中にもう1度ジャンプ入力を行うことで2段ジャンプも可能です。
バーチャロンの格言として「2段ジャンプまでが『バーチャロン』」と言われるくらい重要な動きです。また、ジャンプの上昇中にもダッシュできます。空中横ダッシュもよく使います。ジャンプで上昇する縦の移動に加えて、ダッシュの横移動が加わるので非常に強い回避行動です。ちなみに私は空中前ダッシュができるまで1か月かかりました(笑)。
応用として、ダッシュ中に90度方向を変える「バーティカルターン」もあります。これは『バーチャロン』の生みの親である元セガのプロデューサー・亙(わたり)さんの名前をとってプレーヤーの間では通称「亙ダッシュ」と呼ばれています。ちなみにこれも、習得するのに私は1か月かかりました(笑)。
横ダッシュ→前ダッシュへのバーティカルターンは、回避の後に攻撃に転じることができる非常に強力な行動なのでぜひ習得してルーキー戦に臨んでください!
さくり氏:移動をマスターしたら、次は攻撃です。攻撃はライトウェポン、センターウェポン、レフトウェポンの3種類があります。ゲームを始めてすぐの方はまず、ダッシュ(しながらの)攻撃がおすすめです。敵を見失ったときはダッシュ攻撃をしてみてください。このゲームではダッシュ攻撃をすると、敵のいる方向に向き直ることができます。
ダッシュ攻撃のほかに、強力な「ターボ攻撃」、「しゃがみ攻撃」それらを組み合わせた「しゃがみターボ攻撃」や「ジャンプターボ攻撃」もありますが…あれ? ちゃんとついてきてる…?
▲師匠のお手本プレーに呆然
さくり氏:『バーチャロン』は、最近の対戦格闘ゲームと違って、一つの操作の途中で次の動きを入力しても受け付けません。そのため、一度にいろんな操作を行っても思うように動かず、かえって自分が今なにをやっているのかがわからなくなりがち。そのため一気にあれこれ覚えようとするより、一つひとつの操作を確実に習得していくほうが上達の近道です。あと、家で練習するときはCPU戦がおすすめです。
私たちの世代は平面の対戦ゲームが多かったので、バーチャロンのような3Dゲームは新鮮でした。しかし3Dゲームは空間把握能力が必要になるため、慣れるのに時間がかかりました。しかし1994年頃より多数発売された、3Dポリゴンを使用したゲームに親しんでいる世代は生まれたときから3Dゲームがある、いわば3Dネイティブ。空間把握能力はかなり高いため、初心者でもかなり有利になると思います。この大会をきっかけに、バーチャロンの楽しさを多くの人に味わってもらいたいです。
さくり師匠のもと、タニタのルーキー2名のバーチャロン修行は始まったばかり。果たして3月27日のTANITA CUPの開催までに仕上がるのか?! TANITA CUP 2022のエントリー受付は3月15日(火)23時59分まで。みなさんのご応募、お待ちしております。GET READY!!
YouTube動画はこちらから!
【おさらい】TANITA CUP 2022はこんな大会です【バーチャロン】
TAINTA CUP・ツインスティックプロジェクトについてはこちら!
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Text:合同会社サウザンスマイルズ