2020年5月26日 16:00
ここ最近、自宅で過ごす時間が増えました。
1日2杯のコーヒー(ハンドドリップ)は日課になったし、週末になると牛乳を買い込んで話題の平安時代のスイーツとされる「蘇(そ)」を作っています。友人と3時間もオンライン中継しながら牛乳を煮詰めて作った「蘇」は、平安貴族もきっと羨ましがるでしょう。無性にうどんが食べたくなった日には小麦粉からうどんを作ったりも…。念のためお伝えしておきますが、決してヒマなわけではありません。いつもよりちょっと時間があるだけです。
すっかり前振りが長くなりましたが、調味料が好きなんです。とくにケチャップとマスタード。ちなみにマスタードは粒派です。「粒マスタード派」なんて言うとちょっと意識高そうに聞こえるかもしれませんが、あるとき「これ、もしかして自分で作れるのでは?」と思ったんです。肉にも魚にも、ポテトにも合うマスタード。調べてみたら思ったよりも簡単にできそうなので、さっそく作ってみることにしました。
・イエローマスタードシード:10g
・ブラウンマスタードシード:5g
・酢:20g
・塩:2g
・はちみつ:4g
マスタードシードはオンラインで購入できました。正直、スーパーで出来合いを買うよりも割高ではあります。でも自分好みの自家製調味料ができるならプライスレス! ということで買っちゃいました。これが噂のマスタードシード! シナモンやナツメグは買ったことがあるのですが、袋入りで届くとなんかこう…「ついにスパイス買ったぞ!」という謎の高揚感に包まれ、つくる前からハイテンションに。思わず香りを確かめちゃいました。イエローはいつも店頭で購入する、あのマスタードの香り。ブラウンはカレーのような、スパイシーでツンとした香りがしました。いかにも辛そう…。ちなみに市販のチューブ入り粒マスタードがだいたい50gくらいです。
▲間違えてホワイトペッパーとブラックペッパーをポチりそうになったのは内緒。写真はそれぞれ100g入りで合わせて1000円程度でした
イエロー、ブラウンそれぞれのマスタードシードをはかって容器に入れ、酢、塩、はちみつを入れて混ぜ、冷蔵庫で一晩以上漬けておきます。以上です。「それだけ?」という声が聞こえてきそうですが、それだけです。
▲材料これだけ
今回使用したクッキングスケールはタニタの「デジタルクッキングスケールKJ-212」。0.1g単位で計量できる「微量モード」つきのモデルです。シリコーンゴムカバーは滑りにくく、取りはずして洗えて便利。今回は使用しませんでしたが、計量カップを使わずに水や牛乳の容量をはかれる「mlモード」も搭載しています。
▲デジタルクッキングスケール KJ-212
▲煮沸消毒した瓶に…というレシピもあるのですが、ちょうどいいサイズの瓶がなかったので以前100均で購入した、約90mlの容量のこちらのフタつきカップを使用しました
▲計量するときは忘れずに容器の重さを引きましょう
▲全部混ぜて、冷蔵庫へ
どうやって食べようか、あれこれ妄想しつつ明日の仕上がりを待ちましょう。
そして一晩おいた粒マスタードがこちら。水分を吸収して、粒がふくらんでちょっとボリューミーに見えます。スプーンの裏でプチプチ潰せるくらいにふやけています。どんな味がするんだろう…。わくわくしてきました。
▲ぷっくり膨らみました
ちょっとだけつまみ食いしてみると…おぉたしかにマスタード! 潰しても市販のもののような粘度はなく、サラッとしています。噛むとプチプチした食感で、お酢を含んだイエローマスタードのほどよい酸味のあとに、ブラウンマスタードのほろ苦さが追いかけてくる感じがいい。市販のものよりも酸味と苦みが際立っています。ディップするよりは和えたりソースとしてかけたりして使うほうが良さそうです。
▲プチプチ潰したら、ビジュアルが市販の粒マスタードに近づいた気がする
▲どこからどう見ても粒マスタード
じつは最初、イエローとブラウンの割合を1:1で作ってみたのですが、想像以上にブラウンマスタードの辛みと苦みのパンチが強く…。少しマイルドにしたかったので、今回のレシピではイエローとブラウンの割合を2:1にしました。ピリッとしたほうがお好みの場合はブラウンの割合を増やしてみるとよいかもしれません。
▲何度も試作したらマスタードだらけに…あぁ幸せ
マスタードシードをあらかじめ水につけて数時間置いてからお酢、塩、はちみつを入れるレシピもあり、そちらも試してみました。同じマスタードシードの分量でも、ダイレクトにお酢に漬けたほうが酸味が強く、あらかじめ水につけたほうはブラウンマスタードの苦みを強く感じました。こちらは完全に好みによると思います。
ついに「自家製粒マスタード」が完成しました。さっそく食べちゃおう。まずは“王道”のウインナーに添えました。いつもはケチケチ使っているけど…えーい今日は豪快に使っちゃえ。いつもよりたっぷりの粒マスタードをウインナーにのせて、いただきます。
▲まずはシンプルにいただきます
市販の粒マスタードよりもちょっとだけツンとした辛さ、ビターな感じのマスタードの風味が、ウインナーの油分と絶妙にマッチしています。なんと言ってもウインナーのパリッとした感じ、粒マスタードのプチプチした食感がたまらない…! うっかりケチャップを忘れてしまったくらい大満足の出来です。
せっかくなので、スパイスをほんのちょっと加えて「味変」にも挑戦しちゃいます。セリ科の野菜「コリアンダー」を入れると爽やかな風味に、クミンを入れるとカレーのようなスパイシーな風味になりました。どちらも全体10gに対してだいたい0.5g程度を入れてみましたが、とくに“クミン入り”粒マスタードはウインナーとの相性ぴったり! これはお酒が進みそう。ウインナー完食後に気づいたのですが、自家製ホットドッグを作ったら美味しいはず。
もうひとつおすすめしたいマスタード活用メニューが「なめこの粒マスタード和え」。分量は2人分です。それぞれゆでて水気を切ったたなめこ、コーンと、小口切りにしたオクラを粒マスタード、しょうゆ、酢で和えるだけ。なめこと粒マスタードって意外な組み合わせですが、これが想像以上に合うんです。なめこやオクラのつるんとした食感とコーンの甘み、ときどきやってくる粒マスタードのプチプチ感がいいアクセントになる一品のできあがり!
材料(2人分)
・なめこ 100g
・オクラ 25g
・コーン 25g
・粒マスタード 2.5g
・しょうゆ 3.7g
・酢 2.5g
1人分あたりのエネルギー 27kcal・塩分 0.32g
※栄養価計算の粒マスタードは一般的な数値をベースにしています
▲おかずにもおつまみにも
意外と簡単にできる自家製調味料「粒マスタード」。今回紹介した量は市販の粒マスタードより少量ですが、できるだけ早めに食べきるようにしましょう。出来合いを買うよりも時間はかかるし少々割高だけど、自分だけのマスタードはやっぱり格別でした。その時間とひと手間こそが美味しさの最大のスパイスなのかもしれません。いつもよりちょっとこだわった自家製調味料、おすすめですよ。
デジタルクッキングスケール KJ-212
https://www.tanita.co.jp/product/g/_TKJ212WH/
Text:難波みなみ