2021年5月25日 08:30

体温計に“使用可能な室温範囲”があるって知ってた?【体温計に関する意識・実態調査2021】

今やマスクとともに必需品となった「体温計」。

タニタでは全国の15-69歳の男女1000人を対象に、2021年3月11日から15日の5日間、インターネットリサーチによる体温計についての意識調査を行いました。前回の記事では、その中から主に「体温計を使う頻度や使用状況」についての調査結果を紹介しました。今回は「知っているようで実は知らない」体温計あるあるについてのお話です。

 

■「体温計に関する意識・実態調査2021」の詳細はこちら
https://www.tanita.co.jp/cms/press/pdf/2021/thermometer_research.pdf

 

■自分の平熱、知っていますか?【体温計に関する意識・実態調査2021】

自分の平熱、知っていますか?【体温計に関する意識・実態調査2021】

 

■今や一家に1個以上ある「体温計」

コロナ禍で一気に需要が増えた「体温計」。みなさんのご自宅にはいくつ体温計があるでしょうか? 全回答者(1,000名)に、自宅には体温計が何個あるかを聞いたところ、「1個」は全体の約半数の53.4%、「2個」は33.7%、「3個」は9.1%、「4個」は2.2%、「5個以上」は1.6%で、平均は1.7個でした。体温計も今や、テレビや冷蔵庫のように「一家に一つ」以上となったことが明らかになりました。

 

 

自宅にある体温計のタイプについて聞いてみると、「電子体温計(わきなどで測定するタイプ)」が96.4%と圧倒的多数。飲食店や小売店などへの入店時でもよく使われている「非接触式体温計(挟まずにかざして測定するタイプ)」は9.5%、「水銀体温計」は7.0%、「耳式体温計(耳に入れて測定するタイプ)」は3.9%という結果に。

 

 

ちなみに、わきなどで測定する「電子体温計」には“実測式”と“予測式”の2つの測定方式があることをご存知でしょうか? 「電子体温計には“実測式”と“予測式”の2つの測定方式があること」の認知率は全体の31.2%と、意外と知られていないことが分かりました。さらに「自分が使っている体温計が“実測式”と“予測式”のどちらなのか」の認知率はさらに低い26.5%にとどまりました。

 

 

測定部位のその時の温度を実際にはかることが「実測検温」です。わきを閉じ、からだの内部と同じくらいの温度(平衡温)になるまではかる必要があるため、測定に10分以上かかります。一方、“約10分後の実測検温(平衡温)の推測値を算出して表示すること”が「予測検温」となります。それぞれ測定時間が異なるため、その特徴を理解し、正しく使用する必要があります。詳しくはこちらの記事で紹介していますのでご参照ください。

体温計の「予測」と「実測」って?

https://press.tanita.co.jp/opr/642/

 

■全体の85%の人が知らない「体温計の“使用可能な室温範囲”について」

続いて、体温計の使い方についての質問です。今回のアンケート調査で最も特徴的な結果となったのが、「体温計の“使用可能な室温範囲”について」。「使用可能な室温範囲がある」ことを知っていたのは全体のわずか14.6%でした。つまり、ほとんどの人がこの事実を知らないことになります。かくいう私も、実はつい先日まで知りませんでした。

 

「使用可能な室温範囲」はメーカーや商品ごとに異なるのですが、タニタの体温計は電子体温計(わきに挟むタイプ)が室温「10℃~40℃」、非接触体温計は室温「16℃~40℃」となっています。せっかく体温計を持っていても、適切な室温範囲でないと正確な検温ができません。ぜひ今一度、お手持ちの体温計を確かめてみてください。

 

 

また、「電子体温計・非接触式体温計・耳式体温計の異なるタイプの体温計ではかると、測定結果が異なるケースがあること」の認知度は全体の44.7%、「体温計は“医療機器”であり、品質や安全性等を確保するための基準が設けられていること」の認知度は全体の34.3%となりました。これもあまり知られていないようなのですが、非接触で温度をはかる測定器には“体温計(医療機器)”と“温度計(非医療機器)”があります。温度計は表面温度をはかっているため、体温とはズレがある場合があります。日々の健康づくりのために検温するのであれば、体温計を使用することをおすすめします。

 

■案外やっている!?「正しくないはかりかた」

最後に、全回答者(1,000名)に、体温を正確に測定できない可能性がある体温のはかり方を提示し、それぞれについて経験があるか聞きました。下記にあげた「外出から戻ってきてすぐ(30分以内)にはかる」「運動後すぐ(30分以内)にはかる」「食後すぐ(30分以内)にはかる」「入浴後すぐ(30分以内)にはかる」「動きながらはかる(家の中を歩くなど)」「わきに汗をかいている状態でわきに挟んではかる」「体温計の収納ケースから出してすぐ(30秒以内)にはかる」はすべて正確に測定できない可能性があるはかりかたです。ちなみに私はすべて身に覚えがあります…。

 

 

とくに、からだを動かした後や食事・入浴の後などは測定に適さないため、体温をはかる場合には最低でも30分は時間を置く必要があります。7割以上の人が経験している「体温計の収納ケースから出してすぐ(30秒以内)にはかる」については、使用する環境の温度になじませてから使うのが正しいはかりかたです。正しい検温方法で、毎日の健康づくりにお役立てください。

 

<調査概要>

調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする全国の15歳-69歳の男女

調査期間:2021年3月11日-3月15日

調査方法:インターネット調査

調査地域:全国

有効回答数:1,000サンプル

実施機関:ネットエイジア株式会社

 

Text:難波みなみ